9万円で買った戸建ての、入居者が決まった。
家賃は5万9千円。
年間賃料は70万8千円。ありがたい。
表面利回りは787%になる。
20%でもなかなか見つからない不動産投資の世界で、驚異的な数値だ。
でも現実に、オイシイだけの話は無いもので、見えないところで多くのお金と労力がかかる。
今回は、超高利回り激安ボロ戸建て投資の裏側にかくされた「実際の費用」について。
魅力的に見える表面利回りの裏側には、実質利回りが隠れている・・・
・リフォームの費用は?
高所作業と上水道引き込み工事以外は、すべてDIY。
とはいえ、材料費や工具、交通費はかかる。
業者に丸投げよりは安いけど・・・
【リフォーム費用】合計:140万円
・工具:26万円
・交通費:24万円
・消耗品:6万円
・材料費:26万円
・備品:31万円
・廃材処理:2万円
・宿泊費:5万円
・屋根修理(外注):7.5万円
・上水道工事(外注):12.5万円
今回は、洗面台・トイレ・キッチンと、水周りの備品を全部交換したので、かなりの備品代をかけた。
家から遠いので、交通費や宿泊費も安くない。
工具が高いのは、個人的な趣向が反映されているだけだ。
12mmのドリルを装着した、振動ドリルドライバの萌え姿。マキタ沼にハマると工具代がどんどん増える・・・
マキタ震動ドライバドリル HP484DZ
・リフォームにかけた労働時間
週末のほとんどは、リフォームで物件に通ってた。
当初の想定は4〜5ヶ月くらいでできると思ったけど、やってみたら8ヶ月かかってしまった。
これを単なる「労働時間」として考えてしまうと、まったく割に合わない。
でも、DIYは知識が身につく。
リフォーム見積もりを自分で出せるようになるし、現地の情報も集まる。
「経験値を上げるための時間」と思えば、悪くない。
・購入にかかった諸費用
9万円戸建ては、価値を上げるために隣の土地も途中で買い足した。
他にも、仲介手数料や登記費用、火災保険、取得税と、いろんなところでお金がかかる。
さて、実際の費用は・・・
【購入費等】合計:93万円
・物件価格:9万円
・諸費用:6万円
・登記費用:15万円
・火災保険:19万円
・隣地価格:35万円
・隣地登記:9万円
こうして見ると、火災保険料が高い。
9万円の家を買っただけで、49万円が出て行くことになる。
タダのようなボロ戸建でも、実際には何倍もの費用がかかる。
物件よりも、火災保険料や登記費用の方が高い・・・
・実際の利回りは?
ここから、実際の利回りを計算してみよう。
リフォーム費用:140万円
物件購入費:93万円
投資費用合計:233万円
家賃は年間70万8千円だから・・・
真の投資利回りは30.39%
(世の中で多く語られる、購入諸費用抜きの実質利回りだと38%)
これが、激安ボロ戸建て投資の現実だ。
8ヶ月間のDIY労働をして利回り30%では、決して効率が良いとは言えない。
もちろん低家賃でそのまま貸せば、利回りを上げることはできる。
けれども建物をきちっと直せば、長持ちするし、売却時の価値も上がる。
さらには家賃が上がれば、入居者の質が良くなりトラブルも減る。
DIYで自分自身の知識や経験値も上がる。
(電動工具も手に入る)
利回りや、スピードを優先するか?
それとも物件や自分自身に、さらなる投資をするか?
激安ボロ戸建て投資の本当の魅力は、自分でその選択をできるところなのかもしれない。
不動産投資ランキング
コメント
ボロ戸建投資、土地値アパート投資を検討している0年生大家です。
ソーリムウーハーさんのブログをいつも参考にしております。
土地の価値、大規模な修繕、壁面、屋根をしっかりメンテナンスしているかなどによるリフォーム費用の違い(しかも比率が大きい)もある中で、表面利回りって何なのだろうと思っていたところでした。とても参考になりました。
私もDIYを通じた大家力アップに興味があるため、この一文に共感しました。
”DIYで自分自身の知識や経験値も上がる。(電動工具も手に入る)”
これからも記事楽しみにしております。
0年生大家さん
コメントありがとうございます。
恥ずかしながら、この物件を買った時は、ここまで利回りが落ちるとは予想していませんでした。
途中から隣の土地を買うことになったり、雨漏りが止まらずに作業が増えたり、なかなか計画通りにならず、勉強になりました。
9万円戸建てが一段落し、次は傾き戸建てリフォーム編です。
今後もお役に立てるよう情報を配信していきますので、よろしくお願いします!