崖の上の傾き戸建をフルリノベ②【1F和室改造編】

『和室』『和式トイレ』『瞬間湯沸器』
この3つの厄災は、家賃を下落させる。
自分の物件で発見したら、すぐに駆逐する。
ゴキブリやシロアリと、同じだ。
(和室に住んでる人、ごめんなさい)
本日は『崖の上の傾き戸建』のフルリノベシリーズ『1階和室編』
押入れや床の間がある『和室』を、洋室に変化させる工程をご覧いただきたい。
まずは、ビフォーアフターから。

襖、障子、畳、床の間、押入、和タンス、ペンダントライトと、昭和の和室感が満載のビフォー

在宅ワーカー向けのデスクとクローゼットのある、令和の洋室に改造


​・筋トレメニュー『畳の撤去』​
和室を洋室化するには、まず畳の撤去から。
1枚30〜40kgの本畳を、運び出す。

2階から降ろす6往復は、ホントにしんどい。
冬なのに、汗びっしょり。
これまでのDIYの中で、体力的には一番きつかったかもしれない。
和室2部屋分、合計12枚で400kg以上。
ステップワゴンに積み込むと、サスペンションが沈み込んだ。

さらに撤去費用も、かなりキツイ。
1枚あたり処分費の相場は、2,000円以上。
だから和室は、嫌いなんだ。
滅びろ!


​・砂壁を本物の洋室の壁にする『大壁工事』​
砂壁はそのままでも、床さえフローリングなら洋室と言える。
当然、賃貸募集のときにも『洋室』と言って問題ない。
しかし今回は、そんな『なんちゃって洋室』にするつもりはない。
砂壁であったことを微塵も感じさせないような、イマドキのガチ洋室を作るのだ!
和室の剥き出しの柱を、壁で覆い隠す『大壁』の工事をする。
手順はまず長押(なげし)というパーツを外す。
これはバールでバキバキっとやれば、すぐに外れる。

あとは、露出した柱に合わせて壁を張れるように、下地を作っていく。
砂壁の奥にある下地の柱に固定するので、同じ位置に縦に木材を通した。

ただ、これは施工後に知ったのだが、横に下地を組むやり方もあるらしい。
どちらにしても、超絶に面倒な作業には違いない。
ちなみに今回も木材は、丸ノコを使わずマルチツールだけで切断している。

マルチツール GMF50-36 BOSCH


​・最大の誤算、傾いた家の石膏ボード​張り
この傾き戸建は、最初の計画では1年以内に完成させる予定だったが、結局2年かかってしまった。
他の物件のリフォームを同時進行してたこともあるが、実は大きな誤算があった。
傾いている家は、床の調整も大変だが『壁』の造作はさらに手間がかかるのだ。

『リビング編』で書いたように、この家は壁の傾きはそのままで、床だけを水平に調整している。
すると壁を造るときは、斜めの壁を切り貼りすることになる。
通常なら石膏ボードは、『縦』と『横』の長さを合わせて切るだけ。
ところが斜めの壁(変形四角形というのだろうか?)になると、『上』『下』『左』『右』と『傾きの距離』を合わせなきゃならん。
つまり1枚の石膏ボードをカットするのに、3倍以上の手間がかかるってことだ。
これは本当に大変な作業で、参った。
正直に言うと、いまこの記事を書くために作業途中の写真を見てるだけで嫌な気分になる。
おそらく、今後は傾いた家で壁を造るようなことはしないと思う。
うん、二度とやりたくない。

石膏ボードもステップワゴンなら、たくさん積める。
ただし石膏ボードを張ること自体は、それほど難易度が高くない。
カッターでも簡単に切れるし、下地にビス打ちするだけだ。

石膏ボードはカッターで表面の紙をカットして、ポンっと叩くとパキッと折れる。
丸ノコは使わないけど、丸ノコガイドは便利だ。1mのものがあると、すごく使える。

シンワ測定 丸ノコガイド 1m 

石膏ボードのカット面は、ボードカンナで平らにする。

タジマツール ボードカンナ180平45

ボードのビス打ちは、オートパックスクリュードライバーがあると効率よく作業ができる。

マキタ オートパックスクリュードライバーFR451DZ

マルチツールのサンダーは、壁パテの後処理にも使える

マルチツール GMF50-36 BOSCH

クロスは外注することがほとんどだけど、この部屋だけは和室→洋室化のイメージを固めるために、自分で作業した。

壁紙のり付き 30mと施工道具セット


・タンスはクローゼットに改造
この和室には、備え付けのタンスがあったが、解体してウォークインクローゼットにしている。
ただ、このドアを取り付けるのも、また斜めの壁に苦労させられる。

壁は斜めでも、クローゼットのドアは真っ直ぐに付けるので、レーザーで測って、木材の長さを微調整しながらドア枠を造る。

 Huepar レーザー墨出し器 12線フルライン

傾きを調整しながら水平・垂直のドア枠の下地を造る。
とてつもなく、時間のかかる作業だ。
まぁ、やってる最中は楽しかった気もするけど、次はやりたくないかも…

白い壁に対して、アクセントのあるナス紺のドア。


​・押入れはデスクに改造​
押入れは解体しようか迷ったが、結局はカタチを残してデスクに改造した。
いま思えば、全部解体した方が手間もコストもかからなかったと思う。
24mm厚のパイン集成材を、デスク板に使用。
マルチツールで切断したが、メッチャ堅くて切断に時間がかかった。

パイン集成材。木材高騰もあり、1枚だけで1万円を超える。

レーザー墨出し器で、水平を測りながらデスク板を設置する。

完成してみると、なかなか良い雰囲気になった。


​・和室の天井は、そのままクロス​
和室の天井を、洋室化するのは意外と簡単。
今回の目透かし天井(溝のある天井)は、溝をバックアップ材で埋めてシーラーを塗れば、そのままクロスが貼れる。

バックアップ材を溝にはめていく

角バッカー10mm×10mm 
詳しい手順は、別記事で書いているので、そちらを見ていただきたい。
和室の天井の洋室化の記事は、コチラ


あとは窓枠の障子レールを、塗装した木材で隠して完成だ。

ここまで記事を書いてみて気づいたけど、和室のガチ洋室化は、やや難易度が高い。
少しは技術も必要だけど、なにより造り続けられる精神力の方が重要だ。
それでも仕上がりは、床だけ変えた『なんちゃって洋室』と全然ちがう。
もしメンタルに自信があるなら、覚悟を決めて、ぜひチャレンジしていただきたい。



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