【ボロ投資の現実】追加費用100万円?!浄化槽がない!!

ジモティ業者に、ダンボールで床工事された『元喫茶店』。
いろいろあったが、無事にリフォームが完了した。
もう最後だし、近所でランチしていこうっと。
リフォーム中に行きつけだった、『ゆうひ(仮名)』は店の並びにある蕎麦屋だ。
毎週のように通ってたので、店長とも仲良くなった。
天ぷら蕎麦を食べながら、店長と雑談していると『浄化槽』の話題になった。
「あの店(元喫茶店)って、前のオーナーは一度も浄化槽の清掃してなかったみたいだけど大丈夫?」
そういえば、浄化槽のことは気にしてなかったな。
貸し出す前に一発、清掃を入れておくか。
これが、戦いのはじまりだった。


​・浄化槽清掃は義務​
「ゆうひ」の店長が言うには、飲食店だと浄化槽の清掃・点検がされているかのチェックが入るらしい。(調べたが、よくわからなかった。市でやってるのかな?)
まぁチェック有無に関わらず清掃は『義務』なので、やってから貸し出す方が良いだろう。
すぐ近所にある清掃業者を紹介してもらったので、さっそく電話で依頼。
翌週には来てもらうことになった。


​・浄化槽がない?!​
清掃日の朝8時。
現場に行くと、店の前に『吸上車』が停まってた。
小学生の頃に、みんなが「バキュームカーだ!」と指さしてたアレだ。
作業員さんと名刺交換し、早速清掃に入る…と思ったが、どうも浄化槽が見つからないらしい。
敷地の地面のアチコチに鉄の棒を刺しても、埋まっている感触がない。
よほど深い場所に埋まっているのか・・・?
浄化槽が見つからないと、清掃もできない。
その日は一旦、帰っていただき、再度見つけてから依頼をすることになった。


・下水工事の費用は100万円以上
なにか手がかりはないかと思い、売買を仲介してくれた『つつじ不動産の新橋社長(仮名)』に電話する。
しかし、売主様にも確認していただいたが、浄化槽の位置のヒントは得られなかった。
もし『浄化槽が清掃できない』となった場合、そのままでは貸し出せないので、下水管への接続が必要になる。
費用を調べたが、それほど遠くない位置ではあるものの、工事には100万円以上かかりそうだ。
これでは、実質利回りが大幅に下がってしまう。
なんとかいまの浄化槽を探しだして、乗り切りたい。
イヤな汗が出てくる。
いよいよ本気スイッチを入れて、浄化槽を探す覚悟を決めねばならん。


​・ただひたすらに穴を掘る​
土曜日の朝8時。
すぐ近所に住む妹から借りた穴掘りスコップを持って、店舗に到着。
今日は「浄化槽を見つけるまでは帰らない覚悟」だ。
深いところまで埋まっている可能性を考え、40〜50cmの深さで敷地内を掘り進める。
ところが、掘れど掘れども土ばかりで、浄化槽は現れない。

敷地内を片っ端から掘りかえす。


​・穴掘り時給は33万円​
敷地は広くないとはいえ、どこにあるか判らないものを地中から探すのは精神的にもしんどい。
スコップを地面に差し込み、土を掻き出す作業。
汗だくで同じことをひたすら繰り返していると、頭に次々と疑問の声が聞こえてくる。
「俺は、こんなところで何をしているんだろう?」
「働きたくなくて、不動産投資をしているんじゃなかったのか?」
「この物件は、ホントに買ってよかったのか?」
まだ夏本番ではないものの、気温は30度近い。
「下水工事、100万円…」
そんな言葉が頭をよぎった時、スコップが金属の塊をとらえた。
フタだ!浄化槽のフタだ!!
浄化槽は、なんと増築部の真下20cmくらいの地中に埋まってた。

すでに11時を過ぎていた。
3時間穴を掘りつづけた結果、下水工事100万円の負担が回避できた。
時給にすると、33万円の仕事(?)だ。


無事に、浄化槽の清掃も終えた。
ブロアーもDIY交換して、無事に貸し出し募集ができた。

『古代文明の遺跡』のようなブロワーを交換

マルチツールGMF50-36 BOSCH
浄化槽が無いと気付いたときは「やっちまったか?」と思った。
でも結果的に、気付いたのが物件を『買った後』でラッキーだった。
もし事前に「浄化槽がないぞ?」となったら、この店を買う勇気はなかった。
不動産投資では、知らずに飛び込んでしまった方が良い結果になることもある。
ボロ物件を買う時は、慎重になりすぎず、少し抜けてるくらいがちょうど良いのかもしれない。


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