喫茶店を買ってみた!(後編)ー店舗家賃はどうやって決める?ー

【前回のあらすじ】
マンガアプリの広告で見つけた、元喫茶店付き住居。
つつじ不動産の新橋社長に案内いただき、すぐに内見。
その場の勢いで、融資特約なしの買い付けを入れた。
今日はその続きのおはなし。
『前編』は​コチラ


​・指値(さしね)が通る​
前回の記事で、『元喫茶店』に380万円で、融資特約なしの買い付けを入れた。
430万円に、50万円の指値だ。
結果は、この値段で売主様と無事に合意できた。
あとは契約まで、進めるだけ。
『融資特約なし』なので、もう買うことは確定してる。
『火災保険』や『雨漏り修理』も確定したことになるので、この時点で見積もりを依頼しておく。
そして、できれば融資も使いたい。
信金と公庫に連絡して、提出資料の作成に入る。


​・店舗の家賃の決め方は?​
このお店の『家賃』っていくら?
それがわからないと、利回りも出せないし事業計画も作れない。
『住居』なら、suumoで似た物件を見れば相場がわかるよね。
でも店舗は物件サンプルが少なすぎて、『似た物件』が見つからない。
じゃぁ、どうやって家賃を決めるの?
じつは店舗を借りる経営者は、『3日間の売上』で家賃を払えるテナントを探してる。
だから家賃を決めるなら、その店の『売上』を計算すればいい。
計算式はこれだ。

売上=座席数×平均単価×回転率​​

※座席数=店内の席数
※平均単価=1人のお客さんが、食事に支払う金額の平均
※回転率=1日の来客数を、座席数で割った数。
この中では、『回転率』の見極めが難しい。
一般的には都内から地方へ、駅や繁華街から離れるほど、回転率は下がる。
回転率は『人口密度に比例する』って考えとけば、理解しやすい。
都内だと10回転する店もあるかもしれんけど、ここはイナカで駅からも遠いので「2回転」としておこう。
座席数は10席。
客単価は1,000円
2回転とすると…
【​1日の店の売上げ】
10(座席数)×1,000(平均単価)×2(回転)=20,000(円/日)​

そして家賃は、3日間の売上だから・・・
【​月額テナント賃料相場】
20,000(売上/日)×3(日間)=60,000(円)​

さらに上の住居が+2〜3万円で付いてくると考えると・・・
店舗6万円+住居2〜3万円=家賃8〜9万円!
もし計算通りでイケれば、表面利回り25〜28%出せることになる。

座席数がわかれば、家賃はだいたいわかる。


​・融資は玉砕​
融資は残念ながら、ダメだった。
法人口座を持ってる信金さんから融資を受けたかったけど、増築部分の容積率オーバーで否決。
残念…
ノンバンクならいけたかもしれんけど、今回は仕方ない。
こればかりは融資条件から探した物件でないと、なかなか難しい。
覚悟を決めて、現金一括払いだ。


​・契約の準備
いつも契約の時間は、『平日の午後』にしてもらう。
午前中に、準備ができるからだ。
まずは売主様、仲介様、司法書士様へのお土産を買う。
近所のスーパーで、シャインマスカットを2つづつ箱詰め、ラッピングしてもらう。
そして銀行。
大量の現金(といっても数百万だけど)を用意するので、窓口にお願いする。
手数料はかかるけど、すべて新券で。
移動は事故を起こさないように、余裕を持った安全運転
昼食を摂らずに、胃袋も頭もスッキリさせた状態で契約に臨む。
普段は作業着のボクも、この日はビジネスカジュアルだ。

現金とお土産を用意して、いざ契約!


​・法人契約の現金買いは、すぐ終わる​
つつじ不動産で、売主様とご挨拶。
お土産のシャインマスカットは、なかなか好評だった。
新橋社長が淡々と契約を進めていく。
もし融資を使う個人契約だと、数十枚の書類に名前と住所を書くので手が痛くなる。
でも今回は現金払いで法人なので、契約書と重説に横判と実印を押すだけだ。
契約書にサインするために用意してるデュポンの高級ボールペンも、今回は出番がなかった。
契約は10分もかからず終わり、5分ほど雑談をして解散。
380万円の買い物だけど、電気屋でエアコン買うより早かった。
短時間とはいえ普通のサラリーマンが、『隙のないプロ投資家』を演じるのはメッチャ疲れる。
物件の契約と、銀行の面談の後は、いつもグッタリになる。


​・買ったその日にやること​
新しく物件を手に入れたら、すぐにやるべきことがある。
火災保険の契約だ。
今回は、いつもの業者に事前に段取ってあるので、保険料を振り込めば完了だ。
保険の加入は、必ず鍵の引き渡し当日にやろう。
いつなにが起きるか、わからない。
あとは現地で、物件の確認
入手した鍵で、開け閉めができるかどうか。
内見のときから大きな変化がないかを、現地で確認する。
今回は、雨漏りもあったので、その日のうちに修理業者を手配した。
雨漏りは放置すると、すごいスピードで物件が傷む。
湿気のある木材にはシロアリも寄ってくるので、最優先で対応しよう。


さてさて、新しく手に入れた元喫茶店。
再生系DIY大家にとって、物件購入は『材料』を買っただけにすぎない。
ここから、どう仕上げていくか。
本当の戦いは、これからだ。


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