空室が埋まらないまま、4ヶ月が過ぎた。
管理会社は「がんばります」と言うけれど、内見はまったくなし。
賃料を8,000円下げても、誰も応募してくれない。
近くに、工場がたくさんある場所。
でも半導体不足で、半分が休業。アパートの需要が激減した。
2年後には、大手メーカーの工場とバイパスが開業する期待のエリア。
でもいまは、不動産屋が撤退するほど厳しい。
なんとかせねば・・・
客付け業者の、新規開拓が必要だ。
自宅から280km離れた静岡で、2泊3日の出張営業をしてみた。
今日のテーマは、「客付け業者への訪問」について。
ボク自身がこの3日間で学んだ、コツやポイントをまとめてみた。
・訪問する店を選ぼう
「不動産屋」には、いろいろある。
売買や管理が専門のところもあるし、担当のエリアも決まってる。
専門外やエリア外を訪ねても、断られるだけ。
狙うのは、賃貸専門の不動産屋だ。
でも「不動産屋」って検索しても、大量に出てくる。
この中から、どうやって決めればいいの?
じつは賃貸募集の店を探す、効率の良い方法がある。
suumoやathomeで、近隣エリアに物件を載せてる業者を訪問すればいい。
そこならポータルサイトに広告枠を持ってるし、エリアも対象。
入居者さがしを断られることは、まずない。
イマドキの内見申込みは、ネット経由がほとんど。
賃貸募集サイトに、確実に載せてもらえる業者を狙おう。
依頼する業者は多いほど良いけど、時間が限られる。
マップでルートを事前に決めて、効率良く巡回しよう。
グーグルマップで巡回ルートを決めておくと効率が良い
・用意するもの
訪問先を決めたら、持ちものを用意する。
「マイソク(賃貸募集のチラシ)」は、絶対に必要。
たくさん印刷して、持っていこう。
写真をできるだけ多めに入れて作ると、印象も伝わりやすくて話題になりやすい。
※マイソクのつくりかたについての記事は、コチラ
次に「名刺」。
法人を持ってるなら、代表者の肩書きを入れておく。
「社長」が直々に訪問するのは、それなりに効果がある。
ちなみに最近気づいたのだけど、ネットの名刺プリントサービスはすごく安い。
100枚で送料込みで1,000円以下。
これまで自宅のプリンターで出してたけど、ネットプリントの方が断然キレイ。
インクや用紙を買わなくて良いし、もっと早く気づけばよかった。
「手土産」は用意するなら、車に放置しても溶けないものが良い。
今回は1箱1,000円のマドレーヌを配ったけど、無くても問題はない。
数件なら良いけど、数十件だと経費もバカにならない。
車に積みっぱなしになるので、チョコレートや生ものは避けたほうがいい。
・事前に決めておくこと
仲介業者から質問されることは、だいたい決まってる。
あらかじめ、回答を準備してから訪問しよう。
①「保証会社」「火災保険」は誰が手配するか?
②契約書の作成は、誰がするか?
③入居後の管理会社は?
④キーボックスの番号と設置場所
⑤案内時の駐車場の場所
⑥AD(広告費)
①・②・③は、客付け業者にとっても手数料が貴重な収入源となる。
入居者を決めてくれる仲介業者の利益にしてあげれば、募集にも力を入れてくれるだろう。
ボクは管理会社には、客付けや修繕の利益は一切取らせない。
入退去で儲けさせてしまうと、ちょっとしたトラブルですぐに退去させようとするようになるからだ。
管理会社、仲介業者のお金の流れを見極めて、大家とwin-winの関係を作るのが大事だ。
キーボックス 屋外
・情報収集をしよう
せっかく現地の不動産屋を訪問するのだから、募集の依頼だけじゃなく、情報も聞き出そう。
賃料の相談をしても良いし、最近の集客状況を聞いても良いだろう。
人間は、自分が助言したり助けたりした人や、長時間一緒の空間にいる人を好きになる習性がある。
「何かを教えてもらう」ってことは、それだけで営業効果がある。
もちろん、地域や物件の情報など、相手に提供するのも大事。
話を聞いて、それに対して相手に有益な情報を返すことができれば、良い関係を作れる。
営業の合間にいただいた、浜松の鰻にウニと金箔を乗せた豪華ランチ。
頑張ってる自分への、ご褒美も大事。
・服装はジャケットが良い
訪問時の服装は、ジャケットが1番感触が良かった。
スーツでカッチリ固めすぎると、サラリーマンっぽくなるので、ちょいお金持ちの大家をイメージするといいと思う。
派手なアクセサリーはいらないし、高い服でなくても、小綺麗なもので固めればそれっぽく見える。
今回は、無地のTシャツの上にジャケットを羽織って、下はスキニーのジーパンに派手じゃないスニーカーで巡回。
作業着で訪問したこともあるけど、第一印象が「部屋を探しにきた職人」になってしまうので、相手を戸惑わせてしまう。
話をスムーズに進めるためにも、服装は大事。
ラフすぎず、固すぎず。服を選ぶのは得意ではないので、とりあえずユニクロのジャケット。
・欠点は先に言っておく
物件に欠点がある場合は、あらかじめ伝えておこう。
「内装はキレイですが、外装は修理しかしてないのでボロいです」
「階段はこれから塗装するので、サビてます」
「お風呂は狭くて、足を伸ばせないです」
のように具体的に言っておく。
彼らは接客のプロ。
事前に欠点がわかっていれば、それをひっくり返すトークも準備してから接客してくれる。
現地で客から指摘されるより、事前にこちらから伝えた方が成約率も上がる。
ちなみに今回の出張で宿泊したのは「ホテルレオン浜松」。
ラブホっぽいけど、風呂・トイレ別で部屋も広い。過去最高に居心地が良いビジネスホテル。
ホテルレオン浜松
・入居が決まったら、必ず報告
無事に入居者が決まったら、募集をお願いしていた業者すべてにお礼の報告をしよう。
客付け業者はポータルサイトの枠を買って、募集広告を出してくれている。
入居が決まった後の報告をしないと、気付かずに無駄な広告を出し続けることになってしまう。
速やかに報告と、お礼の電話を入れよう。
良い関係を作れれば、次に空室が出た時もきっと力になってもらえる。
・訪問先はリストにまとめる
訪問した業者は、電話番号と担当者とメールアドレスをリスト化しておこう。
おススメはスプレッドシート。
パソコンでもスマホでも同じデータにアクセスできるので、いざという時にワンタッチでメールや電話連絡ができる。
ボクは担当者との会話内容や特徴もメモしておく。
データ化しておけばすぐに思い出せるし、入力の作業をすることで記憶も定着する。
営業した結果、この部屋の入居者はすぐに決まった。
訪問した仲介店のひとつが、翌日に他の物件の内見者に紹介してくれたのだ。
訪問することで物件を知ってもらえたこともあるけど、実際に顔を合わせて信頼を得ることができたのが大きい。
ボク自身「客付け」に苦手意識があったけど、今回の出張でだいぶ自信がついた。
そろそろ、レベルアップの鐘が鳴る頃かもしれない。
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