投資家が詐欺に騙されないために、やるべきこと

『地面師たち』の小説を読んで面白かったので、ドラマを観るために1ヶ月だけNetflixに加入してしまった。
多少のツッコミどころはあるものの、実話を元にしているだけありリアリティがあって面白い。

『地面師』ともなると、相手を騙し切るためにあらゆる手を使う。
プロでも見抜けないほどの偽造書類を使うので、対策は困難だ。

ただ、我々が取り組んでいる数百万〜数千万円程度の取引では、地面師側もリスクに対してのリターンが割に合わない。
そもそもターゲットにされる可能性も低く、まともな司法書士を付けていれば、騙される心配はほとんどないだろう。

どちらかといえば気をつけるべきなのは、法の隙間を狙った『合法詐欺』の方だ。

・利益が出ないとわかっていて、投資を勧めてくる不動産業者
・価値のないボロ家の瑕疵を巧妙に隠し、高額な値段で販売する業者

不動産業界では特に、素人を騙そうとする有象無象の集団がわんさかいる。
彼らは、不利な情報を見せないように工夫しながら、法律に引っかからないように不動産を売る技術に長けている。

今日は、そんな『詐欺師たち』に騙されないために、我々ができる対策を考えてみる。

■収益計算は自分でする

やってはいけない投資の代表的なものに『新築ワンルーム投資』がある。
上場企業のサラリーマンは絶好のカモにされるので、勤め先の同僚でも騙されてしまう人が少なくない。

相談に来る人たちの話を聞くと、皆が口を揃えて
「買う時に説明されたほど、利益が出ない」と言う。

そう、彼らが「投資」と思い込んで手を出したものは、不動産業者が利益を計算して提案されたものだ。
その『計算』の中には、固定資産税も含まれていなければ、取得税・保険料・入退去費用・修繕費なども一切考慮されていない。
ひどい場合だと、管理費や修繕積立金も無視した金額で算出している。

悪質と思うかもしれないが、こんな接客が当たり前のようにされているのが不動産業界の現状だ。

■やってくる『儲け話』には乗らない

詐欺に騙される時、最初のアプローチは詐欺師からやってくる。
それは、SNSだったり電話だったり訪問だったり、さまざまだ。

特に「儲かりますよ」と相手から言われたら、気をつけた方が良い。
本当に利益の出る儲け話が、向こうからやってくることは絶対にない。

■金融機関の融資を使う

利益の出ない不動産を掴まされないようにするために、金融機関の融資を使うという方法がある。
銀行や信金といった金融機関は、物件の調査のプロで、現地や役所に行って書類上のチェックを綿密にやってくれる。

そもそも利益が出せないような物件や、価値のない物件の場合は、融資承認の前にストップがかかる。
ボク自身も書類上で気づかなかった箇所を信金担当者に見つけてもらい、買わずに済んだという経験がある。

ただし銀行や信金以外のノンバンクでの融資は、ほぼノーチェックなので意味がない。
特に仲介会社側から紹介される融資先は、騙す側の味方なので注意が必要だ。

■勉強する

投資で騙される人の共通点は、「本を読まないこと」だ。
不動産投資では経験者である大家さんの情報がオープンになっており、買うべき物件と買ってはいけない物件が本を読めばわかるようになっている。

10冊程度の書籍の知識があれば、買ってはいけない物件は判る。

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不動産業界の人間(ボクも含め)は、ほとんどが嘘つきだと思う。
不都合なことは巧妙に隠し、良いところだけを目立つよう飾り立てる。

そんな世界で騙されないようにするためには、まず相手の立場から考えることが大事だと思う。

自分が支払ったお金は、何に使われるのか?
儲かるとされる利益は、どこからやってくるのか?
相手はどうやって利益を得ているのか?


そんな思考をちょっと持つだけで、騙されなくなるのかもしれない。

コメント

  1. カツ より:

    ソーリムウーハー様初めまして

    自動運転に関する記事興味深く読ませていただきました。

    私事ですが、仕事が安定せず4月からタクシー運転手を始める予定です。

    記事の内容からすると近い将来運転手は職を失いそうですが、

    既存のタクシーは立ち行かなくなると予想されていますか。

    まったく関係のない質問かと思いますが、私は先の予想が苦手です。

    ご見解を教えていただけますと幸いです。

    • ソーリムウーハー ソーリムウーハー より:

      カツ様

      どもども、こんにちは!
      コメントありがとうございます!

      健美家コラムも読んでいただき、ありがとうございます。

      さて、ご質問いただいた、自動運転の件です。
      予想ですが、おそらくタクシー会社は数年後から少しずつ自動運転への切り替えを進めていくでしょう。
      現状、6割を占める運転手の人件費が無くなることで運賃が安くなり、鉄道やバスからシェアを奪いながら拡大していくと考えています。

      残念ながら5〜10年後くらいの間に、タクシーやトラック運転手のお仕事は、消えていくでしょう。

      ただ、ボクが印刷会社からスマートフォン関係の会社に転職したように、テクノロジーが進化すれば新しい仕事が生まれます。

      タクシー運転手に限らず、半分近くの仕事はAIの進化で10年以内に消滅する可能性が高いです。

      カツ様はこれから運転手のお仕事をされるとのことで、ご不安になられてると思います。
      でも、幸いな事にまだ数年の猶予があります。

      資金を貯めるにも、勉強するにも新しい技術を身につけるにも、十分な時間です。
      不動産投資で仕事をせずに生きられるよう準備することもできるでしょう。

      日本で30年以上続く企業は、全体の1%程度です。
      一生安泰と言い切れる仕事はありません。

      来るべき時に備え準備して、変革期を乗り切りチャンスに変えていきましょう!

      変化し続ける者だけが、生き残ることができます。
      共に頑張りましょう!

      ではでは

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