訴え先を間違えるな!ー学校に『相談窓口』は存在しないー

先日、息子がケガをした。

校庭で陸上部の活動中に、ソフトボール部からの流れ玉が足に直撃したとのこと。
踝(くるぶし)が大きく腫れあがり、痛々しい。

幸いにも数日でケガは完治し、大事には至らなかった。
不運な事故だと思っていたが、数日後に息子からこんな告白を受けた。

『ボールが当たったのは、今回が初めてじゃないんだ。その時はケガしなかったけど、同じ部活の友達も何度か飛んできたボールに当たってる』

なるほど。それは問題だね。
ボクは親として、早急に解決に動く必要がある。

さて、ここで皆様にも考えていただきたいのだが、この問題をどのように解決するのが正解だろうか?
おそらく多くの方は、『部活の顧問や、担任の先生に相談する』という選択をするのではないだろうか?

■市の教育委員会には相談窓口がある

ボクは市の教育委員会に、直接相談することにした。

じつは、市のホームページには、『学校教育課』という窓口があって、こうした学校の安全管理についての相談ができるようになっている。
息子から聞き取りした事実と、今後の安全対策の要望を書いて、フォームで提出した。

1週間ほどで、市の担当者からメールで返信があった。

フォーム投稿をした翌日に、市の担当者が中学校に行き、校長から聞き取り調査
さらに、部活動中の校庭を数時間にわたり調査して、危険性を目視で確認。
各部活動の活動配置を見直し、一般企業や他の学校から、余ったフェンスを集めて設置してくれた。

息子からも「フェンスがつけられて、ボールが飛んでこなくなった」と報告を受ける。

実にスピード感のある、スマートな対応だ。
あっという間に、問題はすべて解決された。

■学校にクレームの窓口は存在しない

ボクが学校ではなく、市の教育委員会に窓口があることを知っていたのは、過去にPTAの役員をしたことがキッカケだ。
先生の名簿を見ると判るのだけど、実は市立校には『総務部』の担当者がいない

保護者から相談が来たら、担任の先生や教頭先生が話を聞く仕組みになっている。
ただ、『教頭・教員』という肩書の通り、彼らは『教育者』だ。
生徒に勉学を教える『教育のプロ』であって、学校の問題解決をする権限も予算も持っていない。

保護者から『ボールが息子に飛んできて危ないのですが…』と言われたところで、『すみません、注意します』と答える程度のことしか(権限上も)できないのだ。

そもそも先生たちは本来やるべき教職の仕事がいっぱいで、そんなクレームの話を聞いて対策をする時間なんて無い。
ボクだって、忙しい先生たちには、保護者からのクレーム対応なんかせずに、息子の学力アップのために集中してほしいと思ってる。

市立学校の『総務部』にあたる部署は、学校内ではなく『市役所の中』にある。
なにか相談事があるなら、市区町村の窓口(私立校なら総務課)をまず訪ねるべきだ。

■学校には調査・捜査機関は存在しない

学校に相談しても解決できない問題として、よく耳にするのが「いじめ」問題だ。
そもそも「いじめ」という言葉で曖昧にしているが、そのほとんどは暴行や恐喝、強要といった犯罪行為だ。

これらの犯罪被害に遭った場合は、まず警察に『被害届』を出すのが正しい。
そこから警察の捜査が入り、刑事罰や民事責任を追及して、はじめて問題は解決へと進んでいく。

これも、担任や教頭先生に相談したところで、言われた側も困る。
彼らに、犯罪の調査や捜査をさせようとするのは、ニワトリを無理やりプールに沈めて泳がせようとするくらいの無茶ぶりだ。

学校の中で起きたからといって、治外法権(法律のおよばない世界)なわけではない。
学校も日本だし、日本の法律がちゃんと適用される。
そこで犯罪行為があれば、当然、動くべきなのは『警察』だ。

さて、ここまで聞いて『そんな大げさな』と思われる方もいるかもしれない。
でも、すでに文科省も、『いじめ問題は犯罪行為として警察に通報する体制を徹底する』という方針を学校に対して正式に出している。

https://www.mext.go.jp/content/20230207-mxt_jidou02-00001302904-001.pdf

それでも、『警察に言うのはちょっと…』と抵抗がある人は、『子供の安全』と『世間体』を天秤にかけた上で、どちらを優先するのかを考えてご判断いただければ良いと思う。

本当の意味で子供を守ることができるのは、親だけなのだから。

■訴える先を間違えてはいけない

こうした相談先や訴える相手の間違いは、いろんなところで見かける。
さきほど挙げた『学校』は、とくにその傾向が強い。

他にもたとえば、飲食店で食中毒などの被害に遭った場合は、その店にクレームを入れても解決はしない。正しい相談先は『保健所』だ。

会社の違法な労働環境被害に遭ったら、会社に直接言うのではなく、『労働基準監督署』という相談先がある。

我々、不動産投資家であれば、たとえ夜逃げされても相手を追いかけて、無理やりお金を取り戻そうとしてはいけない。
ちゃんと『裁判所』を通して、法的な手続きが必要だ。

犯罪行為・不法行為に対して、自力で被害を取り戻そうとする『自力救済』は法律で禁止されている。
どれだけ悪いことをされても、報復は違法行為だ。

裁判はお金がかかって大変と思うかもしれないが、今の時代は、比較的簡単にセルフ裁判ができる。
ボクも毎年のようにDIY訴訟をしているが、自力でやれば1~2万円程度の費用と少しの知識で可能だ。

社会で活動していると、どうしてもトラブルに巻き込まれるのは避けられない。
その時に、自分や家族を守るために大事なのは『正しい窓口』を知っておくことかもしれない。

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