なぜお金持ちは、ポイントカードを作らないのか?

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​行きつけの工具店の横に、煎りたてのコーヒー豆を売ってる店を見つけた。
買ったらなかなか美味しかったので、何度かそこで買っている。
その時レジで聞かれるのが
「スタンプカードはお持ちですか?」
という質問。
それに対して・・・
「ないです」
「ではお作りしますね」
「いらないです。作らないでください」
という毎回のやりとり。
豆を買うたびスタンプが押されて、10個集めると1個タダでもらえるというアレだ。
ボクはこの手のカード類は、作らないと決めてる。
店員からはきっと、こう思われてるだろうね。
「なんでこの人作らないんだろう?損するのに」
でもね、このスタンプカードには、多くの人が気づかない大きなリスクがあるんだ。
今日は、なぜスタンプカードやポイントカードを作らないかについて。


​・カードは誰のためのもの?​
そもそもこのスタンプカードは、何の目的で作っているのか。
コーヒー豆を買う人が、得をするから?
ちがうよね。
コーヒー豆を、毎回自分の店で買わせるために作ってる。
(だからスタンプカードを作る経費は「販売促進費」や「広告宣伝費」で計上される)
「それでも10回買えば1個タダなんだから、買う方も得じゃん」
って思う人もいるだろう。
でも店は儲けるために、必ず利益を出せるように価格をつけてる。
だからこの店のコーヒー豆は、普通の値段に11.1%以上は上乗せしないと商売が成り立たない。
本当はスタンプカードを無くせば、おまけ分は安くできるはず。
実は買う側は、ぜんぜん得してないんだよね。


​・選択の自由が制限される​
かといってスタンプカードを作らなければ、10個買ったときにおまけをもらえず損だ。
でもカードを作ってしまったら、もっと損をする可能性がある。
たとえばスタンプを9個集めた時点で、他の店でもっと安くて美味しそうな豆を見つけたとする。
でもいつもの店で買えば、ちょっと高くても1個オマケがもらえる。
そうなると、結局「いつもの店で買おう」となって、新しいコーヒー豆を試すチャンスを失ってしまう。
もしかしたら新しい店の方が、安くてずっと美味しいかもしれないのに・・・


​・余計な支出が増える​
スタンプカードやポイントは、期限が設けられているものがある。
「1,500円のポイントが、今週切れる!」
もしそんな状況になったら、わざわざ「とくに必要ない何か」を買いに行くことになる。
欲しいものが1,500円以上なら、お金を足してでもポイントを使おうとする。
十分なストックがあるのに、コーヒー豆を余分に買うことになるかもしれない。
これほどムダで、愚かな行為があるだろうか。
店にコントロールされて、貴重なお金や時間を無駄にしてはいけない。


​・財布の中身が汚くなる​
ポイントカードでパンパンに膨らんだ、二つ折の財布。
そいつをお尻のズボンに入れて歩けば、典型的な貧乏人の完成だ。
これ、20代の頃のボクのこと。
今ではヴィトンの長財布に新券を満たして、左の胸ポケットに入れている。
財布のために、夏でも内ポケットのあるジャケットを着てるくらいだ。
お金に余裕ができたから、財布が変わったわけじゃない。
先に財布を変えたから、お金が増えたのだ。

財布はできるだけ薄く、余計なものを入れない。
財布を美しく使えば、お金に対する意識が変わる。
お金を保管する大事な財布に、ペラペラのポイントカードを入れるべきじゃない。

稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?


​・カードを発行する側になろう​
ポイントカードやスタンプカードは、店が客をコントロールするために使うツールだ。
おまけをエサにして、客を囲い込むためのもの。
小売店は、当たり前のように使ってる。
でも不動産業界は遅れていて、いまだに入居者から「更新料」を取っている。
ボクの物件では「更新料」は取らない。
むしろスタンプカードのように「2年住んだら1ヶ月タダ」みたいな特典も検討してる。
もちろん、入退去で儲けてる管理会社はイヤがるだろう。
でも退去率は確実に下がり、修繕費や広告料も減らせるはずだ。
管理会社は実は入退去させたい、の記事は​コチラ


お金持ちになるには、稼ぎ方よりも「お金の使い方」が大事だ。
いつ、誰に対してお金を払うのか?
店ではなく、自分ですべてコントロールする。
ほんの小さなことだけど、その積み重ねがお金持ちを作るのではないだろうか。

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