ある日の夕方、駅の改札を出て階段を降りると、女性が「スミマセン」と声をかけてきた。
「なにか困ってるのかな?」
そう思い立ち止まる。
見た目は、20代くらいのアジア系外国人。
彼女は、1枚のメモを見せてきた。
メモは日本人の女性が書いたと見られ、ラミネートまでされている。
内容はこうだ。
『お金がなくて生活に困っています。どうか私からお菓子を買っていただけないでしょうか』
ボクの財布には、他人のために使うのに十分なお金が入ってる。
今から家に帰るだけなので、時間に余裕もある。
さて、あなたが同じ状況に遭遇したら、どう対応するだろう?
・お金を渡すのは正しいことか?
とっさのことで、ボクは反射的に断ってその場を離れてしまった。
理由は、彼女のお菓子を買うことでお金のコントロールを失うことを恐れたからだ。
後になって
「本当に困ってるなら、2,000円くらい渡しておけばよかったかな?」
と思った。
困っている人は「困っている」と助けを求めるべきだし、助けられる人は助けるべき。
でもお金を必要とする人にそのまま渡すのは、本当に正しいことなの?
・「物乞い」は犯罪行為
こういった話は、海外ではよくありそうだけど、日本で遭遇するとは思わなかった。
じつは国内での「物乞い」は軽犯罪で、罰則もある。
お菓子を売るのも、無許可の路上販売なのでダメだ。
やってる本人も、裏で手伝っている日本人女性も、おそらく知らずにやってるだろう。
ボクも調べるまで、知らなかった。
そもそも、なぜ違法なの?
もし「人助け」と思い、お菓子を買ったりお金を渡せば、相手からは感謝されるだろう。
ボク自身も「困っている人を助けた」という満足感に浸れるかもしれない。
でもその行為によって、他のいろんな問題が発生しそうだ。
たとえば・・・
・「物乞い」が成功することで、本人の労働する意欲がなくなってしまう。
・他の人も真似をして、物乞いが増える。
善意と思ってした行為が、実は本人や社会に悪影響を与えてしまう。
これでは、正しい行動とはいえない。
この問題は、正解を出すのがむずかしい。
「物乞いなどせず、働けばいい」などと、一言では片付けられない。
なぜなら在日外国人である彼らは、日本に生まれた我々よりも厳しい条件で生きているからだ。
投資家を目指してから、「お金」の勉強はかなりしてきた。
でも今回は、なにが正解かわからない。
まだまだ修行が足りないと、思い知らされた。
こんなとき、迷わずかっこよく人助けができる人間になりたいと思う。
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