火事の復旧で壁を壊す作業をしている時、毎回のように上の階の住人から声をかけられるようになった。
一人暮らしの年配女性。
火災の部屋の真上なので、ベランダがススや煙で黒くなってしまい、ご迷惑をかけた。
管理会社からは、すぐに謝罪の電話をして、網戸の交換対応。
私もお詫びに伺った経緯がある。
最初は挨拶だけだったのだが、段々と「要望」を言われるようになってきた。
「湯沸し器の調子が悪い」から始まり、「換気扇の効きが悪い」「エアコンを付けて欲しい」と言われ、その度に対応していたのだが、しまいには「3点給湯を入れて欲しい」と言われるようになった。
さすがに家賃数万のボロアパートで、そこまで対応していては身が持たないので、この要望ラッシュを根本的に止める方法を考えた。
そして、やったことは
「火災のお詫びの品を渡す」
だった。
全入居者へカタログギフト配布
上の階の入居者には、ご迷惑料として数万円を渡した。
数万円の出費はあったが、これを機に要望ラッシュはピタッと止まった。
それどころか、それまで度々あった家賃の遅延も起きなくなった。
火事に巻き込まれたという心理的な損失を、形にして埋めることで不満は解消される。
そんな当たり前のことを学んだ出来事だった。
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