実は10年くらい前から「自動運転」の動向に注目していた。
ただ当時はこの話をしても、誰にも本気にしてもらえず、寂しい思いをした記憶がある。
最近は「自動運転」の実用化が見え始め、一般の人にも認識されてきた。
そこで今日のテーマは「自動運転車の普及で不動産がどのように変化するか」を予測する。
ここで軽く自己紹介をすると、ボクは「国内で最も自動運転ビジネスを進めている企業」に勤めているサラリーマン大家だ。
テレビやメディアの情報を集めなくても、この手の情報は自然と耳に入る環境にいる。
これは自慢なんだけど、スマホの普及も20年以上前から予測していた。
(インターネットがここまで普及するとは思わなかったけどね)
先に結論から書くが、自動運転車が普及すると不動産はこうなる。
★「駅からの近さ」に価値が無くなる
★「駐車場付き」の価値が下がる
★市街化調整区域に需要ができる
これらについて解説していこう。
★「駅からの近さ」に価値が無くなる
自動運転って何ができるの?
車が勝手に走って、迎えに来て、目的地まで連れて行ってくれる。
運転手がロボットのタクシーと考えると、イメージしやすいと思う。
(料金体系は、利用エリアによって変化する月額料金制になると予想)
しかも走行コストはガソリン車よりも安く、運転手の人件費も不要。
一度、試算したことがあるけど、電車の運賃を下回るのも十分に可能だ。
つまり、もう通勤で電車に乗る必要が無くなるってワケ。
だって家の前まで車が迎えに来てくれて、AIが渋滞を回避するから早く目的地に着くし、車内でテレビを見てコーヒーを飲んでいる間に会社に着いちゃう。
駐車場もいらないし、送迎が終わったら車は勝手に去っていく。
それで電車より安いのだから、もう誰も電車に乗らなくなるよね。
断言するが、近い将来(新幹線以外の)鉄道は廃止され、駅そのものが無くなる。
(おそらく鉄道会社も、線路だったスペースを利用して自動運転ビジネスに参入する)
だから駅近だった物件は、価値が大きく下がる。
逆に、駅から遠いけど「都心部へのアクセスが良いエリア」や、「高速道路のインターの近く」は、地価が上がるかもしれない。
★「駐車場付き」の価値が下がる
現在の「車を所有する魅力」とは何か?
・移動が便利
・1人や家族だけの移動空間
・荷物の運搬が楽
・移動コストが安い
これらの「魅力」は自動運転車だと「所有」しなくても手に入る。
だから自動運転車は、自分で所有はしない。
タクシーのように「カーシェア」が基本だ。
無人運転車が迎えに来てくれるから、駐車場が必要ないんだよね。
駅から遠くても、田舎でも、駐車場が無くても困らない。
車のローンを支払うよりも安く「カーシェア」が使えるから。
運転が自動化したら、スポーツカーの魅力も無くなってしまうのだろうか・・・
★市街化調整区域に需要ができる
いつでも好きな時に、スマホで呼べば迎えに来てくれる自動運転車
「彼ら」は電気で動くので、充電が必要だ。
特に移動が少なくなる夜中は、拠点に集まり、管理会社の手によって、充電されたりメンテナンスされることになるだろう。
その「拠点」として、ある程度の広さのある土地が必要だ。
条件としては、市街地からさほど遠くはない安価な市街化調整区域が最適で、自動運転車の「拠点」としての需要が生まれる可能性が高い。
まぁこれは法改正によって、変わるかもしれないけど・・・
自動運転車の完全普及までには「技術」「インフラ」「法律」「既存業界からの反発」等の問題がある。
今回の内容は、これらの問題が完全にクリアされて、「実際に普及したら、不動産がどうなるか?」の視点で予測している。
完全普及は10年後よりも先になるかもしれないけれど、融資を使う不動産投資家は、まだ返済期間の真っ最中。
今から本気で考える価値のあるテーマかもしれない。
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