お店の人や、不動産業者から接客を受けていて
「ウソ」を言われると、だいたい気づいてしまう。
なぜかって?
ボクが誰よりも、ウソが得意だから。
15年前のボクは、家電量販店でセールスをしていて、全国トップだった。
いまだから話すけど、そりゃぁ数えきれないほどのウソを並べてましたよ。
たとえば
『炊飯器の全メーカーの炊き比べをしたけど、この釜のご飯が一番おいしかったです』
『この掃除機を母の日にプレゼントしたら、”掃除がすごく楽しくなった”って言ってました』
みたいにね。
こういうのは、ほとんどウソ。
ボクから家電製品を買った皆さん、ごめんなさいね。
ウソと言っても、後からバレちゃダメ。
トップセールスのウソは、一生バレないし、結果的にそれがお客様のためになるのだ。
ウソというのは、事実とちがうことを語ることだけじゃない。
実際より良く見せる、事実を隠す、わかりにくくする、ことも含む。
だから、商品をよく見せようとするセールスマンは、「ウソ」をつくのが仕事と言える。
でも、客を不幸にするウソをつく、悪意を持ったセールスマンもいる。
給料が実績で大きく変わる不動産業界には、特に多い。
われわれ投資家は、そういうウソを見抜けないとならない。
家電なら、「あれ?思ってたのと違う?」で済むけど
不動産では、破産するリスクもあるからだ。
今日は、プロの目線から、具体的な「ウソを見抜く方法」を紹介する。
これを読めば、セールスマンを見る目が変わるはずだ。
★「7割」は嘘つきの数字
セールスマンから「7割」というセリフが出たら、その話はウソの可能性が高い。
たとえば
『このエリアだと、だいたい”7割”以上は1ヶ月以内に入居者が決まってますね』
と言った感じ。
「7割」ってすごく業者に都合が良い数字なんだよね。
6割だと説得力に欠けるし、8割だと実現しなかった時にウソをつかれたと思われる。
「7割」は、そこそこ説得力があって、もしもの時に言い訳ができる絶妙な数字なんだ。
この数字が出てきたら、「こいつウソついたな」と思ったほうがいい。
★計算書から、ウソつきを見つける
セールスマンは、言葉に説得力を持たせるために、ツールを用意する。
そのひとつが計算書だ。
計算書は、ウソを見抜きやすいポイントのひとつ。
・修繕費や税金が入っていない、キャッシュフロー計算書
・家賃下落率を考慮していない、事業計画
・共益費や修繕積立費を計算していない、収支計算書
・募集家賃が高く、満室想定利回りだけが高いレントロール
これが出てきたら、その業者は、悪意をもった嘘つきの可能性が高い。
だって、それをそのまま信用して買ってしまったら・・・大変なことになるよね?
数字を見抜くためには、計算を自分でできなきゃならない。
もし、できなければ、その日には決めずに持ち帰る。
まったく理解できない数字や、予想しなかった数字が出た時は、
一旦引いて、自分自身でも計算してみよう。
★「他の客の話」は、ほとんど嘘
セールスマンは、バレないウソをつくのが基本。
簡単なのは、他のお客さんの話。
『いま、他にも8人から問い合わせが来ています』
『この前、このエリアで同じような間取りの部屋は、6万円でスグに入居が決まってました』
これがウソだったとしても、確認できないし、証拠も出ない。
実際の問い合わせが2人でも、ボクなら「8人」って言うと思う。
後輩にも、そう言うように指導するね。うん、絶対やる。
このレベルの嘘なら、「信用できない業者」とまで断定する必要はないけれど
はなし半分、いや、”はなし4分の1″くらいで聞いておいた方がいい。
★致命的な欠点は、他のどうでもいいことで隠す。
重要事項説明で、気をつけなきゃならないのがコレ。
購入の意思は固まったけど、その話が無くなるかもしれないような致命的な欠点。
隠したいけど、法律では、説明しなければならない。
そんな時どうする?
ボクが、もし悪意を持ってやるなら
“説明はするけど、他のどうでもいいことを重ねて隠す”
というテクニックを使う。
たとえば、「市街化調整区域による再建築不可」を知識のない人に説明する場合はこうだ。
『告知事項が、いくつかあります。
まず、この地域は、市街化調整区域で再建築不可となります。
ただ、住居目的で特定条件を満たせば可能なので、これは大丈夫だと思います。
2つ目のこちらが重要で、事前にお話しておかなければいけないのですが
実は前に住まわれていた方の、残置物が残っているんですよ。
庭に、そんなに大きくはないんですけど物置と、居間にタンスが残っています。
今回は、残置物をそのままで、現況渡しという条件で、相場の7割で出ている物件ですので、ご了承ください』
といった感じ。
つまり、重要な話(再建築不可)を薄れさせるために、
どーでもいい話(残置物)をわざと大げさにして、紛れさせる(忘れさせる)ということをやる。
これを「うまい人」にやられると、知識を持っていない限り、見抜くのが難しい
もし、「この程度なら、まったく気にならないよ」ということを大げさに言われた時は、その直前に言われたことを思い出してみよう。
何か重要なことが、隠されているかもね・・・
営業をやったことがある人なら、わかると思うけど
たいていのセールスマンは、バレない嘘はついていいと思っている。
特に不動産は、複雑な内容が多いので
だまされないために、大事なのは
・勉強して、知識を身につける。
・「この内容なら買う」と基準を決めておく。
・「担当者を信用するから買う」という考えは捨てる。
不動産業者も、家電量販店の販売員も、マスコミも医者も、
平気でウソを言える人は、世の中にあふれてる。
だまされる側にならないように、気をつけよう。
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